あなたの家族の一員として日々を過ごしているあなたの猫ちゃん。
これまでたくさんの楽しかった思い出がきっとあったことでしょう。
だけど、そんな猫ちゃんもやがて年齢を重ねシニア猫になります。シニア猫になると今までよりも体力が弱くなり、病気になりがちになってしまいます。
猫ちゃんは私たち人間と違い言葉を話せないため、とても心配になってしまいますよね。
猫ちゃんの健康管理をしっかりとしてあげて、これからも末永く元気に過ごせるようにしてあげましょう。猫ちゃんが頼りに出来るのはあなたなのですから。
ここでは、猫ちゃんの健康管理をするために必要なことをご紹介します。
猫ちゃんと飼い主との信頼関係を築く
猫ちゃんの健康管理をするうえで、まず最初に言っておきたいことは猫ちゃんと飼い主であるあなたとの信頼関係がもっとも大切になるということです。
猫ちゃんに健康で長生きしてほしいと切に願うあなたの気持ちは確実に猫ちゃんに伝わります。また、飼い主であるあなたの喜怒哀楽も猫ちゃんに伝わります。
だけど、必要以上に思いつめないでください。あまりにも神経質になり過ぎると、あなたの猫ちゃんも神経質になってしまい、健康的な生活を送れなくなってしまいますよ。
猫ちゃんとの信頼関係を築く気持ちで愛猫との生活を送りましょう。
適切な運動をさせてあげる
あなたの大切な猫ちゃんに健康であってほしい・長生きしてほしいと願うのであれば、毎日の運動が必要になります。
犬とは違って、猫は毎日散歩に連れていかなくてよいから楽だと思っている人も多いと思いますが、猫はもともと野生で狩りをして暮らしていた動物だということを忘れてはいけません。
一日中お家の中だけで過ごしていては、ストレスが溜まってしまいます。ストレスを溜めないためにも、積極的に運動をさせてあげられる環境作りが大切になります。
短毛の種類の猫は、広範囲で活動してきた種族であり活発な性格のため、一日20~30分の運動が必要と言われています。
比較的運動量が多い種族は、日本猫・アメリカンショートヘア・シャム猫などの短毛の猫となっております。その他にベンガルやソマリなどはほぼ野生に近い種族の猫は行動範囲を多く取りましょう。
一方、長毛の種類の猫は、短毛種の猫と比べると運動量が少ないと言われています。チンチラ・ペルシャ・スコティッシュフォールドなど見るからにゆったりとしています。これら長毛種の猫は10分程度の運動でも十分です。
猫は、犬のように広いスペースを走り回る必要はなく、むしろ上下運動ができる空間が必要となります。
家具を使った昇り降りでも対応できますが、傷をつけてしまうこともありますので、家具を守るためにもキャットタワーを置いてあげましょう。
また、壁に穴を開けずに柱を固定させて利用する「ディアウォール」の設置を検討してもよいでしょう。壁に穴を開けないので賃貸マンション・アパートにお住まいの方でも利用できます。
肥満予防が第一
猫は、寝ることが大好きな生き物。1日のほとんどの時間をゴロゴロして過ごしています。ちょっと羨ましいですね。
また、毎日お外へ散歩に出かけることもありませんので、運動だけでの減量は難しくなります。万が一、あなたの猫ちゃんが肥満になってしまったら、運動での減量が見込めない分、厳しい食事制限をしなければならなくなります。
これは猫ちゃんにとってとても辛いことです。
そうならないためにも、まずは肥満を防ぐことが大事になります。
猫は7歳頃から中年期に入ります。中年期になると、積極的にあまり動かない暮らしになります。チョロチョロと動き回っていた子猫時代とは大違い!
私たち人間と同じように、猫も中年期以降はトイレや食事など必要な時だけ動くようになります。しかし、あまり動かない生活をしていると、体がなまって硬くなり、徐々に筋肉量も減ってきます。そうなると機能低下が進行し、老化が促進され悪循環に陥ってしまいます。
このような悪循環を避けるためにも体が動くうちから継続的に運動することが求められます。人間の場合であれば自分の意志で運動することができますが、猫の場合は飼い主であるあなたが猫ちゃんに運動させてあげることが必要となります。
肥満が及ぼす影響
私たち人間と同様に猫ちゃんにとっても肥満は万病のもと。
肥満になってしまうと、四肢の関節に負担がかかり関節炎を引き起こす危険性が高まります。
関節炎は一度発症してしまうとなかなか治りづらいため、猫ちゃんがつらい思いをしてしまいます。
既に肥満になってしまっているのであれば、ご飯の量を調節して体重を落としてから少しづつ運動量を増やしていきましょう。
骨を強くしよう
筋肉と同じように骨は適切な運動によって強くすることができます。
脚の細い猫でも、適切な運動によって骨を強化できます。むしろ脚の細い猫こそ無理のない範囲で運動し脚の骨を強化することが大切になります。
猫用のサプリメントなどで不足しがちな栄養素を補うことで骨を強くすることもある程度は可能ですが、サプリメントはあくまでも補助食品です。摂取しすぎることはよくないですし、サプリメントだけに頼ることは禁物です。
「ボディコンディションスコア」で体型をチェック!
猫の適正体重は骨格によって異なるため一概には言うことができませんが、猫にとってのベストな体型は判断することができます。
ウエストにくびれがあって、皮下脂肪の下を触って肋骨を確認することができ、横から見てお腹がたるんでいない状態がベストな体型です。
「ボディコンディションスコア」という体型を測る指標があります。「3」の状態を維持するように心がけましょう。
栄養価の高い良質な食事を与える
運動の次は食事を見ていきましょう。運動したらお腹が空きますからね。
飼い主であるあなたが食事をしているとあなたの猫ちゃんがこちらをじっと見てきたことはありませんか?
そんな時は、ついつい私たち人間が食べている物を食べさせてあげたい衝動に駆られることでしょう。ですが、人間の食事を猫に与えることは基本的にしてはいけません。
塩分の多いものやネギ類が猫には厳禁とされていることをご存じの方は多いことでしょう。
塩分の過剰摂取は心臓疾患や腎臓疾患の原因になります。私たち人間にとって薄味であっても猫からしたら高塩分となることに注意してください。また、玉ねぎやニラ・ニンニクなどのネギ類は、猫の赤血球を破壊してしまいます。ネギ類が入った加工食品にも注意してください。
このような事態を避けるためにも市販されている猫用のキャットフードを与えるようにしましょう。市販のキャットフードは、猫の成長に必要な栄養素が調整されているため安心して与えることができます。また手作りする手間が省けるため必要な時にすぐに食事を与えることができるので飼い主の負担もかかりません。
市販のキャットフードの中には、かなり安価に購入できるものがあります。しかし、これらに使用されている素材には人間ではとても食べられないような古い肉などを使っていることも実際のところあります。ですから可能な限り良質なキャットフードを与えたいですね。
医食同源という言葉は、私たち人間だけでなくあなたの猫ちゃんにも言えることです。
近年では、猫の栄養素がしっかりと考慮されているキャットフードがどんどん進化しており、その種類も豊富になってます。猫の健康が増進し、平均寿命が延びていることの一因となっているのです。
食べ物を選ぶ時に大切なこと
猫ちゃんに与える食事で大切なことは、次の2点です。
- 十分な栄養素が含まれている「総合栄養食」であること
- 消化、吸収が良い食事であること
十分な栄養素が含まれている「総合栄養食」であること
雑食である人間や犬とは異なり、猫は高たんぱく・高脂質の肉食系の食事から必要な栄養を摂取します。
市販のキャットフードには、「総合栄養食」・「おやつ(間食)」・「一般食」・「副食」などの表記がされています。これらの違いを理解して使い分けることが大切になります。
まずは「総合栄養食」から見ていきましょう。「総合栄養食」とは、猫に必要な栄養素がバランスよく全て含まれている食事になります。その食事と水だけで、健康を維持できる基本となるキャットフードです。
猫の年齢や成長段階に合わせて作られたキャットフードですから、毎日の主食として「総合栄養食」を与えましょう。
1日に与える量は、個体差や運動量によって変わってきますが、目安として成猫で体重1kgあたり約52~75kcalと言われています。下記の表も参考にしてください。
猫の体重 | 1日に必要な摂取カロリー |
---|---|
1kg | 52~75kcal |
2kg | 83~119kcal |
3kg | 109~157kcal |
4kg | 132~190kcal |
5kg | 153~220kcal |
6kg | 173~249kcal |
7kg | 192~276kcal |
8kg | 209~302kcal |
9kg | 227~327kcal |
10kg | 243~350kcal |
次は「おやつ(間食)」です。これはしつけやご褒美などを目的に与える食事であり、飼い主と猫のコミュニケーションにも役立つ食事です。パッケージには、「スナック」・「トリーツ」などとも表記されております。
適量であれば、時間を気にせずに与えても良いですが、与えすぎてはいけません。適正体重を維持するためにも、1日に必要なエネルギーの20%以内に抑えましょう。
最期に、「一般食」・「副食」です。これらは、特定の栄養素やエネルギーを補給するための食事になります。
「一般食」や「副食」は、そればかりを食べさせると成長に必要な栄養素が不足しますので、「総合栄養食」と併用して与えるのが一般的です。
食事に興味を持たなくなってしまった猫ちゃんには、バラエティー豊かな「一般食」・「副食」で食事に変化をあたえてみましょう。
消化、吸収が良い食事
消化・吸収に良い食事を選ぶことも大切です。
どんなに栄養価が高い食事を与えても、栄養素が消化・吸収されなければ効果は低くなってしまいます。
市販のキャットフードには、猫に必要な5大栄養素である、たんぱく質・脂肪・ビタミン・ミネラル・炭水化物がバランスよく含まれているだけではなく、子猫・成猫・シニア猫などどの年齢層であっても消化・吸収されやすいように作られたものです。
特に、肉食動物である猫には、たんぱく質が必要不可欠であり、私たち人間と比較して5~6倍のたんぱく質が必要とされています。
このたんぱく質は猫にとって「元気の源」なのですが、体内での消化に非常に時間がかかることが分かっています。
ですから消化・吸収しやすい良質な動物性タンパク質が使用されている良質なキャットフードを猫ちゃんに与えてあげましょう。
良質なキャットフードは良質な原材料から
私たち人間と同じように、猫ちゃんもジャンクフードのような品質の悪い安価なものばかりを食べさせていると、健康上よくないことは明らかです。
- 原材料の種類
- 原材料の品質
- 添加物の有無
などをよく吟味してキャットフードを与えてあげることが、健康で長生きするためには欠かせません。
定期的な健康診断と休息も忘れないで
定期的な健康診断を受診させることは飼い主の義務です。
病気の早期発見・病気の予防は、長生きの秘訣でもあります。
基本的に猫は飼い主に「痛い・辛い」を隠す動物と言われてます。何か様子がおかしくなったり症状が現れた時には、すでに病気がかなり進行している事例が多々あります。
何でもない大丈夫と思っていても、実は病気が潜んでいたという事もありますので、定期的に動物病院で健康診断を受診しましょう。
また、私たち人間はストレスがたまると疲れてしまいます。同様に猫ちゃんもストレスがたまると体が悲鳴をあげてしまいます。
飼い主であるあなたと離れて長時間の留守番をしたり、知らない人と接した時など、想像以上に猫ちゃんにはストレスがかかっています。 長時間ストレスがかかる状態になると、猫ちゃんの健康を害する原因にもなってしまいます。
そうならないように、知らず知らずのうちに猫ちゃんにたまってしまったストレスを取ってあげましょう。
猫ちゃんと一緒にボール遊びをしたり、猫ちゃんがゆったりとくつろぐことができる空間を用意してあげましょう。
あなたの家族の一員である猫ちゃんに寄り添ってあげることが何より大事です。
猫ちゃんが最後に頼りに出来るのはあなたなのですから。
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