あなたの大事な家族の一員であるワンちゃん・猫ちゃん。末永く健康に長生きしてほしいと飼い主であるあなたは切に願っていることでしょう。
そのために大切になるのは、ペットの食生活です。ペットの健康のために良質なペットフードにこだわっている人は多いでしょうが、飲み水のことは意外と見過ごされがちです。
ここでは、ワンちゃんや猫ちゃんと水との関係について見ていきましょう。
地球上の生命にとって水はなくてはならないもの。もちろん私たち人間と同様にワンちゃんや猫ちゃんにも水は欠かせないものです。
犬の体内水分量は60%、猫の体内水分量は70%と言われています。ちなみに私たち人間の体内水分量はワンちゃんと同じ60%となっているのですが、ワンちゃんと一緒だなんて何だか不思議ですね。
これほど体内に占める割合が多いことからも、ワンちゃんや猫ちゃんにとって水がどれほど大事なのかが見て取れますね。
犬や猫が一日に必要な水分量
ワンちゃんや猫ちゃんが健康でいるために一日に必要となる水分量はご存じですか。
ワンちゃんであれば体重1kgあたり50ml、猫ちゃんであれば体重1kgあたり40mlの水が必要だとされています。
猫ちゃんの平均体重は4kgですから一日に必要な水分量はおよそ160mlとなります。ワンちゃんは犬種や個体差による体重の違いが大きいので一概には言えませんので、下記の表を参考にしてくださいね。
体重別の一日に必要な水分量早見表
環境省が作成した「飼い主のためのペットフードガイドライン」体調管理について に犬と猫の体重別の一日に必要となる水分量が掲載されてますのでご紹介します。
体重 (kg) | 犬 (ml) | 猫 (ml) |
2 | 190 | 140 |
3 | 260 | 190 |
4 | 320 | 240 |
5 | 370 | 280 |
6 | 430 | 320 |
7 | 480 | 360 |
8 | 530 | 400 |
9 | 580 | 440 |
10 | 630 | 470 |
15 | 850 | |
20 | 1060 | |
25 | 1250 | |
30 | 1440 | |
35 | 1610 | |
40 | 1780 |
基本的には水を飲みすぎることはない
ワンちゃんや猫ちゃんに欠かせない水。毎日必要な水分量を補給できるようにしてあげる必要があるのですが、その際に、水を飲み過ぎてしまわないかどうか気になるかもしれません。
私たち人間の場合ですと、真夏の暑いときに水やお茶など水分を過剰に摂取してしまい、かえって体調を崩すこともありますよね。この点に関しては、ワンちゃんや猫ちゃんは、自分が必要とする水分量を適切に把握していますので飲み過ぎることは基本的にはありません。
ですから、ワンちゃんや猫ちゃんがいつでも水を飲めるようにとにかく水を切らさないようにしてあげることが必要となります。
特にワンちゃんの場合は、夏場は熱中症になりやすいので、熱中症対策としていつでもどこでも新鮮な水を飲めるようにしてあげましょう。また、水分だけでなく塩分などのミネラルも補えないと脱水症状になってしまいます。
水を飲みすぎているときは・・・
暑い季節や部屋が暑すぎるときはいつも以上に水を飲みます。この時は、部屋の空調を調整して適切な温度にしてあげましょう。
ただし、ワンちゃんであろうと猫ちゃんであろうと、一日に体重1kgあたり100mlを超える水を3日以上飲みだしたら病気の疑いがありますので要注意です。
糖尿病や腎臓疾患、肝臓疾患、ホルモンの異常などが考えられますので、早めに動物病院で診察してもらってください。
同じ犬種・猫種であっても、年齢や体型、体質などによって必要な水分量は異なりますので、いつもと様子が違うなと感じたら早めに動物病院に行きましょう。
特に猫ちゃんは体の構造上、体内の水分調整があまりうまくできませんので気をつけてください。
加齢とともに水分摂取量は増える傾向にありますので、老犬やシニア猫になってから飲む水の量が増えた場合は、それほど心配する必要はないでしょう。
猫の腎臓病と水の関係
猫は腎臓疾患を患いやすい動物です。これには水が関係しています。
腎臓は、血液中の毒素をろ過して、余分な水分と毒素を体外に排出する働きをしています。
しかし、もともと猫は乾燥地帯に暮らしていた動物であり、体内に水分を貯めておく体質なのです。ですからあまり排尿をしなくて、その分だけ腎臓に負担がかかりやすいと言われています。
猫ちゃんが、いつでもどこでも水を飲めるようにしてあげて、なるべく排尿を促してあげることが大事になります。
ペットに水道水を与えてもいいのか
水道水は信用できないという理由で、ペットにミネラルを与える家庭が多いようです。確かに、日本の水道水は消毒のために塩素などの化学薬品が含まれています。
これらの化学薬品がペットに悪影響を与えるのではないかと心配しているのでしょうが、日本の水道水は世界保健機関(WHO)が定める基準をクリアしており安全であるため、ペットには比較的安心して飲ませることができます。
水道水にカルキが含まれていることを気にする飼い主の方もおりますが、カルキが入っている分、細菌が繁殖しづらいというメリットもありますよ。
また、ROフィルターでろ過した水は、ミネラル分がすべて除去されるため純水となります。そのため、ミネラルの摂取量を管理する必要があるペットには適しています。ROフィルターを搭載した浄水器やRO水の購入を検討しても良いでしょう。
それでも水道水に抵抗がある
ペットに水道水を与えても大丈夫ですと先ほど述べましたが、それでも水道水に抵抗がある方もいるかもしれません。水道水には消毒のために塩素などの化学薬品が含まれていることは事実ですからね。
人間の場合ですと、水道水をそのまま飲んでも人体に害を及ぼさないよう基準を設けられていますが、これはあくまで人体を基準にしてます。ワンちゃんや猫ちゃんは人間よりも体が小さいので何らかの影響が出ないとも言えません。
そんな方は、水道水をそのまま与えるのではなく、一度沸騰させた水や浄水器で塩素を除いた水を与えましょう。
ミネラルウォーターはどうか?
一方、ミネラルウォーターはどうでしょうか。ワンちゃんや猫ちゃんに与えても大丈夫なのでしょうか。
結論から申し上げますと、ミネラルウォーターも大丈夫です。
ミネラル過多になり尿道結石になるから、あるいは内臓に負担がかかるから、という理由でペットにミネラルウォーターを与えてはいけないとう意見も耳にしますが、実はそれほど根拠のある話ではありません。
現在、健康なワンちゃんや猫ちゃんであれば、ミネラルウォーターを与えても大丈夫でしょう。
しかし、現在既に尿道結石を患っている場合は、話が違ってきます。
ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムの含有量が高く硬度が120mg/Lを超える「硬水」と、高度が120mg/L未満の「軟水」がありますが、尿道結石を患っているペットの場合は、硬水を与えると症状を悪化させる恐れがありますので、軟水のミネラルウォーターを与えてあげましょう。
硬水と軟水について
日本の川の水は、ミネラル含有量が少ない軟水であるため当然のことながら日本の水道水も軟水となります。諸外国においては、硬水の国もたくさんありますが、それらの国のワンちゃんや猫ちゃんに尿道結石が多いかというとそういうわけではありません。
ですから硬水と軟水を必要以上に気にする必要はありません。ただし、人工的にミネラルを加えたミネラルウォーターは避けた方が無難かもしれません。出来ることなら、天然水がそのまま詰められているミネラルウォーターを与えてあげましょう。
ウォーターサーバーや水素水について
ウォーターサーバーや水素水が近年は流行っておりますね。
確かにウォーターサーバーはあれば便利です。手間が大幅に減りますからね。また、水素水は様々な病気の原因となる活性酸素を除去すると言われています。
そういう意味では、是非一度は試してみたくなるでしょう。でもこれらはコストが高いと言わざるを得ません。経済的に余裕がある方であれば、検討してもよいかもしれませんね。
おすすめの水はこれに決まり!
これまでペットの水について述べてきましたが、最終的におすすめできるのはやっぱり水道水です。
塩素などの化学薬品が含まれていますが、沸騰させたり浄水器でろ過すれば除去できます。雑菌が少ないこともメリットです。そして何より安価で手軽ですから。
しかし、お住まいの地域の環境によっては放射性物質や化学薬品などで水道水をそれほど信用できないこともあるかもしれません。私たち人間が飲むことに、例え心理的であれ抵抗があるくらいであれば、天然水のミネラルウォーターを与えた方が安心できますね。
ペットの水で一番気をつけることは雑菌
ペットに水を与える時に、最も気をつけなければいけないことは実は雑菌なのです。忘れがちですが・・・。同じ容器に水を入れっぱなしにしていたり、容器を洗ってないことはないでしょうか。
私たち人間と同様に、一番大事なことは清潔な水を飲むことです。ミネラルウォーターやウォーターサーバーなど水そのものにこだわることも大事かもしれませんが、容器を毎日洗う・水を毎日入れ替えてあげるなどして清潔な水を与えてあげることの方がよっぽど重要であることを忘れないでくださいね。
水はすべての生命の源
水はすべての生命の源(みなもと)です。水がなければ、あらゆる生物は生きていくことが出来ないのです。
あなたのワンちゃんや猫ちゃんにとって欠かせないのは当然であり、健康で長生きするためにも、良質なペットフードにこだわるだけでなく、良質な水にもこだわりたいですよね。
あなたの大切な家族の一員なのですから。
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